文京区の中央北寄りにある「白山神社(はくさんじんじゃ)」は、根津神社や神田明神などと並んで東京十社にも数えられている由緒ある神社で、縁結びの神とされる菊理媛神(ククリヒメ)が祀られているほか、歯痛止めの御利益もあると言われている。
根津神社や湯島天神、神田明神などと比べると小規模な神社で、Ingressのポータル数も多くはないが、「白」→「ハック」ということでIngressにも御利益がありそうな気がするので、エージェントならぜひ訪れておきたい。
この記事では、そんな白山神社と周辺のスポットを紹介していくぞ。
文京区の白山神社は、天暦年間(947-57)に現在の本郷1丁目のあたりに建てられたのが始まり。2代目将軍・徳川秀忠の頃に現在の小石川植物園のあたりに移ったが、そこに徳川綱吉の屋敷が建てられることになったため、1655年に現在地に移転した。
「小石川」という地名は、白山神社が加賀国石川郡の白山比咩神社から分霊を迎えて建てられたものであることが由来という説があるぞ。
白山神社に伊弉册命(イザナギ)、伊弉姫命(イザナミ)とともに祀られている菊理媛神(ククリヒメ)は、日本書紀に一箇所だけ記述がある神様だ。イザナギが黄泉にいるイザナミに会いに来たが口論になってしまったとき、ククリヒメが何かを言って争いをおさめたと書かれており、縁結びや商談成立、争いの和解などの御利益があるとされているぞ。
・菊理媛尊(くくりひめのみこと) | 白山さんの結婚式 | 白山比咩神社 石川県
白山神社や隣の白山公園には約3000株ものアジサイが植えられており、見頃となる6月中旬には「文京あじさいまつり」が開催され、様々な催し物で賑わうぞ。
期間中は、普段は閉鎖されている富士塚に立ち入り可能となる。
白山神社は歯痛平癒の御利益があるとされることでも知られる神社だ。「はくさん」が「歯苦散」を連想させることや、歯痛緩和を祈願して荒行に挑んだ修験者がいたことなどが由来と言われており、最後の女帝として知られる後桜町天皇が白山神社の神箸と神塩を使うようになってから歯痛が治ったなど、多くの逸話が残っている。
現在では、「歯ブラシ供養」という珍しい神事が文京あじさいまつりの期間中に実施されているぞ。
白山神社の境内には「孫文先生座石」という石碑が建てられている。孫文は1911年に辛亥革命を起こした中国の政治家。1910年、この地に住む盟友・宮崎滔天のもとに身を寄せていた孫文は、この石に座って中国の将来について語り合っていたときに流星(ハレー彗星)の出現を目撃し、革命への決意を強くしたという。
白山神社の北には「東洋大学」がある。前身となった哲学館の創始者・井上円了は妖怪の伝承を科学的見地から研究したことで知られる人物だ。
5号館1階には「井上円了記念博物館」があり、円了ゆかりの資料が展示されているぞ。
入館無料で気軽に利用できるが、日曜日など閉館している日も多いので、興味がある人は公式サイトで開館日をチェックしておこう。
白山神社近くの円乗寺には、「八百屋お七」の墓がある。
本郷・駒込近辺の八百屋の娘だったお七は、火災で家を失って円城寺に身を寄せていたときに知り合った小姓にもう一度会うために放火事件を起こして、火刑に処された。
浮世草子の第一人者・井原西鶴の「好色五人女」に取り上げられたことで知られるようになり、歌舞伎や浄瑠璃などの演目としても人気になっている。
東の本郷通り沿いには多数の寺院があり、Ingressのポータルも充実している。しばらく北に行ったところにある「南谷寺(なんこくじ)」には、江戸の五色不動のひとつである「目赤不動」があり、ミッションも作られているぞ。