4月の改変期でアニメなどの新番組が多数始まるが、多くの文豪が暮らした街でもある文京区を扱うサイトとしては「文豪ストレイドッグス」に注目したい。近代の文豪と同じ名前の登場人物が各文豪の代表作をモチーフにした特殊能力を駆使して戦う異能バトルもので、原作コミックの連載開始当初から独特のコンセプトが話題となっていた。
近年では、「戦国BASARA」の戦国武将や「ガールズ&パンツァー」の戦車、「艦隊これくしょん」の軍艦や「刀剣乱舞」の日本刀のように、実在の人や物をモチーフにした作品が増えており、元ネタに興味を持ってゆかりの地や展示会などに足を運ぶファンも多い。
「文豪ストレイドッグス」の影響で文豪ゆかりの地を訪れる人が増える…かどうかは定かではないが、この機にIngress上でポータルやミッションになっている文京区内の文豪ゆかりのスポットを一挙に紹介していくぞ。
「吾輩は猫である」「こゝろ」など多くの名作を生み出し、千円札に肖像画描かれていたこともある夏目漱石は、現在の文京区内に長く住んでいた文豪の一人だ。
高校に相当する大学予備門時代には小石川の新福寺に下宿し、東京大学を卒業後は伝通院の西にある法蔵院に間借り、英国留学から帰国後は現在の向丘に住み、後に西片に転居している。また、文京区の西南部の小日向には、夏目家の菩提寺として漱石の兄らが葬られている「高源山本法寺」がある。
作品の中でもたびたびこれらの場所が登場しており、「三四郎」に登場した東京大学本郷キャンパス内の池は「三四郎池」として有名だ。
Ingress上では、向丘と西片の旧居跡がポータルになっている他、文京区のすぐ南の千代田区神保町には、「神保町 夏目漱石を巡る」として6連作のミッションが作成されているぞ。
・新福寺
・夏目漱石旧居跡(Soseki Natsume former residence mark )
「舞姫」などの作品で知られる森鴎外は、東京医学校時代に本郷の寄宿舎で暮らし、ドイツ留学から帰ったのち現在の向丘に転居。その後、千駄木に自宅を構え、没するまでこの地で暮らした。向丘の住居には、後に夏目漱石も入居している。
「観潮楼」と呼ばれた千駄木の自宅の跡地は、戦後に文京区立本郷図書館となり、現在は森鴎外記念館として公開されているぞ。
「怪人二十面相」などの推理小説で人気の江戸川乱歩も、文京区とゆかりのある作家だ。湯島天神町の活版屋や小石川の下駄屋に下宿しながら早稲田大学に通っていたほか、千駄木の団子坂上で古書店を開いていたこともあり、「D坂の殺人事件」では団子坂を舞台にしている。
Ingress上では、文京区内にポータルやミッションは無いが、1934年から晩年まで暮らした池袋の地には「江戸川乱歩邸 標識」などのポータルや「池袋乱歩通り商店街」のミッションが作られているぞ。
・団子坂
「銀河鉄道の夜」などの童話や「雨ニモマケズ」などの詩で知られる宮沢賢治は、24歳のころに上京して本郷の地に下宿し、童話集「注文の多い料理店」に収録されている短編作品の執筆を始めた。
Ingress上でも、本郷の「宮沢賢治旧居跡」がポータルになっている他、「注文の多い料理店」をモチーフにしたミッション「本郷at料理店」が作られているぞ。
「たけくらべ」や「ゆく雲」などの名作を残し、五千円札の肖像にもなっている女性小説家の樋口一葉も、多くの時間を現在の文京区で過ごしている。4歳から9歳の幼少期に東京大学赤門付近に住み、御徒町などで学生時代を過ごしたのち本郷菊坂町に移り住んだ。何度かの転居を経て現在の西片に移り、この地で生涯を終えている。
Ingress上でも「樋口一葉ゆかりの桜木の宿」や「一葉ゆかりの伊勢屋質店」、「樋口一葉終焉の地」などがポータルになっており、これらのポータルを巡る「頭痛肩こり・樋口一葉」というミッションも作られているぞ。
「文豪ストレイドッグス」には今のところ登場していないが、「一握の砂」などで知られる歌人・詩人の石川啄木も、文京区と縁の深い作家だ。最初の上京時には現在の音羽、2度目の上京では弥生、3度目の上京では本郷に住み、小石川で最期を迎えた。
Ingress上でも「石川啄木初の上京下宿跡の碑」などの案内板や歌碑がポータルになっている他、「借金魔・石川啄木」というミッションも作られているぞ。