山手線の日暮里駅の西、台東区の谷中と文京区の根津、千駄木からなる「谷根千」と呼ばれるエリアは、下町情緒溢れる街歩きスポットとして人気だ。関東大震災や空襲の被害が少なかったため、江戸時代や明治時代から残っている名所・旧跡も多い。ポータルも沢山あり、Ingressのための遠征にも最適だ。
この記事では、日暮里駅のある谷中から始まり、根津、千駄木と、谷根千を一巡りするルートを紹介するが、日暮里から根津や千駄木まで軽く歩いたり、上野動物園に訪問済みポータル数稼ぎに行くついでに根津神社まで足をのばすなど、部分的に楽しむのもいいだろう。
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日暮里駅から西の方へ向かうと「谷中銀座」、その突き当たりには「よみせ通り」という下町風情溢れる商店街がある。ポータルになっている店舗も多く、一連のポータルを巡るミッションも用意されているぞ。
猫の多いことでも知られるこの付近には、猫の看板やオブジェも多数存在し、猫をテーマにしたミッションも作られている。
谷中銀座の南にある「観音寺」は、忠臣蔵の赤穂浪士である近松勘六行重と奥田貞右衛門行高の異母兄弟が修行した寺で、「赤穂浪士供養塔」という石碑も建てられている。
境内の南側にある塀は、土と瓦を交互に積み重ねる「築地塀(ついじべい)」という珍しい工法で造られており、国の登録有形文化財になっているぞ。
日暮里駅の南に広がる「谷中霊園」は、最後の将軍・徳川慶喜をはじめ、多数の著名人の墓がある大規模な墓地だ。ポータルも多数存在し、街路樹が立ち並ぶ落ち着いた雰囲気の中で散策を楽しめる。
谷中霊園の西から東京メトロ千代田線千駄木駅へと続く「三崎坂」は、左右に点在する寺が目に留まることから「首振坂」とも呼ばれていた。道路沿いのポータルは「歴史と文化の散歩道を歩こう 45」や「団子坂下から谷中霊園へ」のミッションになっているぞ。
道路沿いには、江戸千代紙の老舗「いせ辰」(ポータル名: 菊寿堂大福帳)1875年から続く「菊見せんべい」、「指人形 笑吉」など、土産物に丁度いい店舗ポータルも点在している。
三崎坂の南にも多数の寺院ポータルが立ち並んでいる。谷根千を一周するなら、これらの寺院をハックしながら、東京メトロ千代田線の根津駅を目指すといいだろう。
中央あたりにある「延寿寺」には、健脚の神様として知られる日荷上人が祀られているので、Ingressで「Trekker」のメダルを目指している人などはお参りしてみては。
・延寿寺
根津駅のすぐ東にある上野動物園は、ポータル数も膨大なので、訪問済みポータル数の実績カウントを稼ぐならぜひ訪れておきたい。一般600円、65歳以上300円、中学生200円という手ごろな価格で入場できるぞ。
谷根千からは更に外れるが、ポータル数を稼ぐなら不忍池を南下して湯島天神近辺のポータル密集地帯を巡るのもいいだろう。
東京メトロ千代田線の根津駅近くにある「異人坂」は、明治時代に東京大学の寮に住んでいた外国人講師が不忍池や上野公園の方に出掛けるときに通ることが多かったことからこの名で呼ばれるようになった坂だ。
北側は切り立った崖になっており、根津から谷中にかけての街並みを見下ろせる。
異人坂を上り東京大学向ヶ岡ファカルティハウス前を北上した先には、「お化け階段」と呼ばれる急な階段があり、その先には大正8年に建造されて国の登録有形文化財に指定されている「根津教会」がある。
・根津教会
根津神社の近く、不忍通り沿いにある「根津のたいやき」は、10時30分の開店から数時間もしないうちに売り切れとなってしまうこともある人気店だ。パリパリの薄皮にぎっしりと餡子が詰まった鯛焼きが、手ごろな価格で提供されているぞ。
根津の最大の見所は、東京十社に名を連ねる「根津神社」だ。
5代目将軍・徳川綱吉が兄・綱重の子の綱豊(のちの6代将軍・家宣)を養嗣子にした際、その屋敷地を献納して1706年に創建したのが現在の社殿。震災や空襲を免れて現存し、国の重要文化財となっている。
境内には綱重の屋敷だった頃から続くつつじ苑があり、100種3000株ものツツジが植えられている。4~5月頃には「文京つつじまつり」が開催され、様々な露天で賑わうぞ。
根津神社から千駄木駅へと向かうルートの近辺には、「つむぐカフェ」やイタリア料理店「露地」、ネパール料理「ミルミレ」、パンケーキカフェ「OHANA」、「ブックス&カフェ ブーザンゴ」、「和カフェ」、おにぎりカフェ「利さく」、中華料理「毛家麺店」といった飲食店ポータルが立ち並んでいる。
ランチ休憩をしながらポータルをハックしてアイテムを補充するのに丁度良いぞ。
・つむぐカフェ
・露地
・ミルミレ(MIR MIRE)
・OHANA
・ブックス&カフェ ブーザンゴ Bousingot Books & cafe
・和カフェ
・利さく
・毛家麺店
千駄木駅の西には、江戸川乱歩の「D坂殺人事件」、森鴎外の「青年」、二葉亭四迷の「浮雲」、夏目漱石の「三四郎」など数多くの文学作品に登場する「団子坂」がある。
名前の由来は、近くに団子屋があったからだとも、坂が急なため雨の日に転倒すると転がり落ちて泥団子の様になってしまうからだとも言われている。
・団子坂
団子坂を上った先には森鴎外の旧居・観潮楼の跡地に建てられた「森鴎外記念館」があり、様々な展示が行われている。
以前ここにあった「本郷図書館」は、団子坂を渡ったところに移転している。
千駄木駅北西には、10メートルほどもある滝と池が見ものの「須藤公園」がある。江戸時代に大聖寺藩の屋敷があった場所を明治の実業家・須藤吉左衛門が購入した物で、その後東京市に寄付されて現在は文京区の管轄となっている。
・須藤の滝
「旧安田楠雄邸」は、大正8年に豊島園遊園地を創設した藤田好三によって建設された邸宅。安田財閥創始者・安田善次郎の娘婿の善四郎の手に渡り、その長男の楠雄が相続、現在は財団法人日本ナショナルトラストに寄贈され、東京都の名勝指定文化財に指定されている。内部の見学には大人500円、中高生200円の入館料が必要だ。
「高村光雲・豊周遺宅」は、木彫彫刻に写実主義を取り入れた明治期の仏師・高村光雲の屋敷があった場所。現在の建物は、光雲の三男で鋳金家として人間国宝になった高村豊周が建てたもの。
光雲の長男で詩人・彫刻家の高村光太郎の旧居跡も近くにあるぞ。
高村光太郎旧居跡の東には「千利休別邸」という古い邸宅があり、ポータルになっている。また、ポータルにはなっていないが、向かいには東京都指定文化財の半床庵などがある茶道武者小路千家の官休庵東京出張所があるぞ。
「ファーブル昆虫館」は、昆虫記で知られるジャン・アンリ・ファーブルを紹介する資料館。内部にはファーブルの生家が再現されており、昆虫の写真や標本などが展示されている。開館は土日の午後のみだが、入館料は無料となっているので、気軽に立ち寄ってみよう。
・ファーブル昆虫館
千駄木の北の端にあるのが「動坂」だ。坂の下に不動明王像を祀った庵があったことから「不動坂」と呼ばれるようになり、省略されて「動坂」になった。
その不動明王像は、3代目将軍・徳川家光の頃に本駒込1丁目に移され、南谷寺の目赤不動として親しまれている。
・動坂