多くの文人が暮らした地を巡る連作ミッション「本郷at料理店」

2015年12月21日 22時49分
カテゴリ: エリアガイド

文京区は多くの文人が住んでいたことでも知られる地域だ。特に、東京大学の西にある本郷菊坂町周辺は、樋口一葉や石川啄木、宮沢賢治など非常に多くの作家が暮らしていた。
Ingress上では、そんな本郷を舞台とした「本郷at料理店」という連作ミッションが作られているぞ。宮沢賢治の「注文の多い料理店」のストーリーをなぞるアイコンをあしらった6連続のミッションで、総延長は2キロメートル少々、数十分もあればクリアできる手頃な連作ミッションだ。
途中には多数の文人関連ポータルがある他、ポータルにはなっていないが「注文の多い料理店」に登場する店の名を冠した洋食屋の前も通る。
6本のみの短めのシリーズなので、メダルを並べて大きな絵にする「メダルアート」の仕掛けは用意されていないが、影絵とホログラムを合わせたような幻想的なデザインのアイコンも秀逸だ。

作成者によるGoogle+での紹介



パート1は本郷三丁目駅からスタートし、春日通り沿いのポータルを巡りながら西に向かう。ここには、「啄木ゆかりの喜之床旧跡」というポータルが登場するぞ。歌集「一握の砂」などで知られる石川啄木が、1909年から1911年に家族と暮らした理髪店があった場所で、現在は別の理髪店になっている。

本郷at料理店~第一話~


真砂坂上交差点で右折したところにある「文京ふるさと歴史館」からパート2がスタート。北上して「炭団坂」の階段を下ると、「宮沢賢治旧居跡」がある。
「銀河鉄道の夜」などの童話や「雨ニモマケズ」などの詩で知られる宮沢賢治は、24歳だった1921年に上京して本郷の地に下宿し、童話集「注文の多い料理店」に収録されている短編作品の執筆を始めた。
この看板がある階段を上ると菊坂に合流するぞ。

本郷at料理店~第二話~


菊坂を少し上ると、パート3の開始ポータルとなる「旧菊坂町」の案内板がある。東京大学沿いの本郷通りまで続く菊坂沿いには、「当地ゆかりの文人達 宮本百合子」や「文の京 一葉文学のまち」の文人関連ポータルがあるぞ。
プロレタリア文学の作家・宮本百合子は、3歳の頃に札幌から本郷の地に移り住んで幼少期を過ごし、晩年には「本郷の名物」という評論も書いている。

本郷at料理店~第三話~

宮本百合子 本郷の名物(青空文庫)


菊坂を登り切ると、本郷通りに突き当たる。後半のパート4~6は、本郷通りを東京大学沿いに北に向かうぞ。
パート4には「樋口一葉ゆかりの桜木の宿」がある。一葉が4歳から9歳までの幼少期に暮らした家があった場所で、小説「ゆく雲」などにも登場している。

本郷at料理店~第四話~


パート5は引き続き本郷通りを北上。このあたりには、「梅謙次郎博士追慕植樹碑」や「東京大学正門」、「古市公威像」など、東大に関連するポータルが多い。「天上大風」というのは、戦没学徒の慰霊碑だ。
Ingressのポータルにはなっていないが、「古市公威像」から「西片門」へ向かう途中、西側に「山猫軒」という洋食屋がある。「注文の多い料理店」に登場する店の名が冠されており、看板なども作品をイメージしたものとなっているぞ。

本郷at料理店~第五話~


パート6も北上を続け、南北線東大前駅でゴールとなる。このあたりには文人関連ポータルは無いが、「追分一里塚跡」や「岩槻街道」などの史跡ポータルがあるぞ。
江戸時代、日本橋から京都へ向かう中山道に1里(約3.927km)ごとに設置されていた一里塚の最初の1つが有った場所で、日光東照宮へと向かう御成街道である岩槻街道へと分岐する追分(おいわけ)となっていた。

本郷at料理店~第六話~


作成者のkohloonsgateAI氏は、他にもいくつかのシリーズミッションを作成している。文京区に隣接する御茶ノ水には「御茶ノ水atゴーシュ」シリーズがあるぞ。「本郷at料理店」と同様の幻想的なデザインのアイコンがあしらわれているので、気に入った人はこちらもクリアしてメダルを並べてみては。

御茶ノ水atゴーシュ~第1話~

御茶ノ水atゴーシュ~第2話~

御茶ノ水atゴーシュ~第3話~

御茶ノ水atゴーシュ~第4話~

御茶ノ水atゴーシュ~第5話~

御茶ノ水atゴーシュ~第6話~

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