7月17日(日)に開催される「MISSION DAY TOKYO」では、文京区にも12のミッションが用意される。連続した3つのミッションからなる4コースに別れており、MISSION DAYメダルの獲得条件である3ミッションをスムーズに達成可能だ。
4つのコースはいずれも文京区観光協会で紹介されている散歩コースを参考に作られており、「MDTB01」「MDTB02」「MDTB03」の3つは文京区中南部の小石川を歩く「やすらぎ浪漫コース」がベース。歴史ある寺社仏閣が建ち並ぶ一方で東京ドームやシビックセンターなどの近代的な施設も見ものとなっているエリアだ。
スタート地点は東京メトロ丸ノ内線・茗荷谷駅の近くで、ゴールは後楽園駅の近くとなっており、丸ノ内線をよく使う人にとっては4つのコースの中でも特に手近と言えるだろう。
・文京区観光協会 > おさんぽくん > 小石川 MAP【やすらぎ浪漫コース】
前半となるMDTB01は「しばられ地蔵」からスタート。1602年(慶長7年)から続く「林泉寺」にあるこの地蔵尊には、願を掛けるときに縄で縛って叶ったらほどくという風習がある。江戸時代に反物の盗難事件があった際に、町奉行の大岡越前が「盗みを見過ごした地蔵も同罪である」として近くの寺の地蔵を縛って引っ立てさせ、奉行所に押しかけた野次馬に科料として反物を収めさせところ、盗品を収めに来た犯人を捕まえられたという物語が由来で、品川区の願行寺や葛飾区の南蔵院にも同様の地蔵尊がある。
「茗荷坂」や「伝明寺(藤寺) 地蔵」「Soccer Ball (Water Tower)」のポータルを経て、春日通りを渡ると「播磨坂公園」のポータルがある。
江戸時代に松平播磨守の上屋敷があったことから播磨坂と呼ばれているこの道路は、戦後の復興計画で環状3号線の一部として整備され、「全区を花でうずめる運動」の一環でソメイヨシノなど約130本が植樹されており、1971年度から毎年3月下旬に「文京さくらまつり」が開催されている。
夏には花見はできないが、木陰で日差しを避けながら快適に歩けるだろう。
コースには含まれないが、播磨坂公園ポータルから少し離れたところに、わらび餅などで有名な和菓子屋・一幸庵(いっこうあん)があり、ポータルにもなっている。昼頃には人気商品が品切れになっていることも多いので、ゲットしたければ午前中に訪れよう。
・一幸庵 (いっこうあん) – 茗荷谷/和菓子 [食べログ]
播磨坂からは少し離れるが、「石川啄木終焉の地」のポータルもコースに含まれている。
最初の上京では音羽、2度目の上京で弥生に滞在し、3度目の上京で本郷にある床屋「喜之床」の二階に家族を迎えて2年ほど住んでいた啄木は、1911年に妻も肺病を患っていることが分かったのを機に、少しでも環境が良いこの地へと移り住んだが、1912年に26歳の若さで死去している。
播磨坂を下りきると、MDTB01のゴールとなる「Koishikawa Botanical Gardens」がある。この小石川植物園は、徳川綱吉の下屋敷跡に作られた薬草園が元となっており、国指定名勝及び史跡にもなっている由緒ある施設だ。東京大学大学院理学系研究科の附属施設だが、一般人も大人400円、小中学生130円などの入園料金で観覧できるぞ。
MDTB02は、小石川植物園から南東に進んだ都道沿いにある「延命豆腐地蔵尊」がスタート。喜運寺に江戸時代から祀られている地蔵尊で、小坊主に化けて門前の豆腐屋に豆腐を買いに通っていたという言い伝えがある。現在は非公開の秘仏となっているが、本堂前には”お前立”として代わりの地蔵尊が祀られている。
「真珠院」などのポータルに続いて訪れる「処静院跡」「処静院跡の石柱」のポータルは、新撰組の前身である浪士組の結成の地として知られる寺だ。石柱に刻まれている「不許葷酒入門内(葷酒門内に入ることを許さず)」は、酒や臭いの強い食べ物の持ち込みは禁止という禅寺の注意書きだ。
ポータルが境内の奥にあるためミッションからは省かれているが、処静院跡の石柱の隣の立派な門から入れるのが、江戸の三霊山の一つ・伝通院だ。徳川家康の生母・於大の方を埋葬するために建てられ、徳川家ゆかりの人物が多数埋葬されている。
文豪・永井荷風は、随筆「伝通院」で「パリにノートルダムがあるように、小石川にも伝通院がある」と評している。
空襲でほとんどの建物が焼けたため、現在の本堂は1949年に再建されたもの。山門は2012年に再建されたばかりなので、風合いも真新しくなっている。
樋口一葉が14歳の頃入門した中島歌子主催の歌塾があった「萩の舎跡」などに続いて「北野神社」のポータルがある。「牛天神」としても知られるこの神社は、1184年に源頼朝により創建された歴史ある神社で、学問の神様として知られる菅原道真公を祀っている。
奥州へ向かう頼朝公がこの地で休んでいたとき、牛に乗った道真公が夢に現れて願いが叶うと告げたことから、この地にある牛の形をした岩を御神体にしたといわれており、今も撫でると願いが叶う「ねがい牛」として親しまれているぞ。
MDTB02のゴールとなるのが「小石川後楽園」。水戸徳川家の江戸上屋敷内に作られた大名庭園で、国の特別史跡及び特別名勝となっている都立庭園だ。園内には池や山などの地形が再現されており、一般300円などの入園料で様々な景色を楽しめる。
岡山市にある後楽園と区別するために小石川と付いている本園だが、東京ドームの前身が「後楽園球場」だったり、「東京ドームシティアトラクションズ」が2003年までは「後楽園ゆうえんち」と呼ばれていたことなどから、後楽園といえばこちらを思い浮かべる人も多いだろう。
次の「MDTB03」は、すぐ近くの「後楽寮の狛犬」からスタート。「後楽公園」に続く「BIG EGG 1988」は、言わずと知れた東京ドームのポータルだ。
ジェットコースターや観覧車がある遊園地「東京ドームシティアトラクションズ」や、天然温泉が楽しめる「Spa LaQua(ラクーア)」など、様々な施設も併設されており、一日中楽しむことのできる区内屈指のエンターテインメントスポットとなっている。
都道を渡り、Ingressとタイアップしている店舗ポータルの「丸善 メトロ・エム後楽園店」を経て北に向かうと、全高141.7メートルの「文京シビックセンター」がある。区役所や区民のための施設が入る建物だが、丸くせり出した形状がユニークな25階の展望ラウンジは観光スポットとしても必見。東京スカイツリーや新宿副都心の高層ビル群、さらには富士山や筑波山まで見渡すことが可能だ。
・文京区 シビックセンター
さらに北に向かうと、ゴールとなる「御百度石」のポータルに辿り着く。このポータルがある「源覚寺」は、1624年から続く寺院で、「こんにゃくえんま」の別名で親しまれている。祈願に訪れていた老婆の眼病を肩代わりしたために閻魔像の右目が黄色く濁り、感謝した老婆が自身の好物のコンニャクを食べずに供え続けたという言い伝えが名前の由来だ。
小石川は大福餅の発祥の地とも言われている。江戸時代中期に小石川箪笥町に住んでいたおたよさんという女性が、当時「鶉餅(うずらもち)」と呼ばれていたものを小型化し、餡に砂糖を加えるなどの改良を施して「大腹餅」として売り出したのが人気となり、後に大福餅と呼ばれるようになったとのことだ。
源覚寺から少し北に行ったところにある「御菓子司 千代田」では、「おたよさんの大福」として当時の味を再現した大福餅が販売されているぞ。
小石川の寺院には七福神が祀られているものがあり、Ingress上にはこれらの寺院を巡る6連作のミッションも存在する。現在のIngressでは複数のミッションを同時に進めることはできないが、各寺院には御朱印スタンプも用意されているので、ついでに立ち寄って集めてみては。
















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