実際に色々な場所に出掛けてプレイするポケモンGOでは、事故やトラブルなどの危険も度々指摘されている。同様の問題はIngressにも存在していたが、ポケモンGOが大流行したことで、問題視する声が急増した。
非常に多くの人がプレイしているポケモンGOは、犯罪者にも狙われるリスクも高い。異例の人気により、官公庁なども相次いで注意喚起の声明を発表している。
ここでは、ポケモンGOをプレイする際に注意すべき事故やトラブルを挙げていくので、安全にゲームを楽しむための参考にして欲しい。
・内閣サイバーセキュリティセンターからのおねがい(NISC@みんなのサイバー天気予報さんのツイート)
交通事故や不法侵入を起こさないように
ポケモンGOでよく問題にされるのが「歩きスマホ」だ。現在のポケモンGOは、画面を表示しているあいだしか処理が行われないため、画面を表示したまま歩いていると、つい「かくれているポケモン」などの画面を見てしまう。
画面を見ながら歩いていると、人や物にぶつかったり段差に躓いたりして危険なので注意しよう。
「かくれているポケモン」を注視しながら歩いても、大してポケモンを見つけやすくはならないので、画面の確認は数十メートル歩くごとにチラッと見る程度にとどめよう。目当てのポケモンの位置を特定したければ、地図上に円を表示して位置を絞り込むツールなどを活用するといい。
目当てのポケモンを見つけたら、邪魔にならない場所で足を止めて、しっかり狙ってモンスターボールを投げよう。
私有地などへの無断立ち入りも問題にになっている。寺社仏閣などの自由に出入りできる施設でも、参拝などの本来の用事以外での立ち入りは歓迎されないことが多い。公園なども、ゴミの放置や不法駐車、騒音などの迷惑行為が問題となることがある。
度が過ぎると、敷地内でのゲームを禁止されてしまったり、運営元にポケストップなどの削除を申請されてしまうかも知れないので、節度を守ってプレイしよう。
一般の住宅の敷地まで無断立ち入りされているという報道もあるが、ポケモンは出現地点の半径40メートルまで近づけば捕獲できるため、日本の狭い住宅の庭にまで入る必要は無いはずだ。もし実際にそんなことをする人がいたら、システムをよく分かっていないと思われるので、説明してあげよう。
ポケモンGOで特に重大な問題となっているのが、自動車を運転しながらのスマホの使用だ。ここ1ヶ月の間でも、死亡事故を含む人身事故が何件も起きている。
現在のポケモンGOでは、一定速度以上での移動が検出されると警告が表示されるが、ボタンをタッチすれば普通にプレイを続けられるので、抑止効果は限られているのが実情だ。
交通量が少ない深夜には、低速で車を走らせながらスマホを弄っている人を見かけることもあるが、控え目な速度でも人にぶつかれば深刻な事故になりかねない。
このような運転中のプレイは道路交通法違反で摘発される恐れもあるので、絶対にやめておこう。警察でも問題は認知されており、多くのポケストップやポケモン出現地点に隣接した道路は取り締まりが強化されているとも言われている。
事故や摘発がなければ効率的のように思えるかもしれないが、1km走らせるのに10円近いガソリン代がかかることを考えると、課金アイテムを利用しながら歩いてプレイした方が効率的だろう。
プライバシーに気を付けてストーキングなどを防ごう
オンラインゲームでは、プレイヤーのあいだでトラブルが発生することもある。ポケモンGOやIngressでは、近隣地域に住む人が対戦相手となることが多いため、トラブルが深刻な事態に発展する恐れもあるので注意が必要だ。
苦労して奪取した「ジム」をすぐに奪われたことを恨みに思い、ゲーム外で付き纏って嫌がらせをしてくる人などがいるかもしれない。ポケモンGOのジムは、占領して条件を満たすとアプリ内課金で購入できる「ポケコイン」を無料で入手できるので、Ingressのポータルなどより執着する人も多いだろう。
ポケモンGOのセットアップ時に設定できるプレイヤー名は、「ジム」に自分のポケモンを配置すると他のプレイヤーから見られるので、本名などゲーム外での自分に繋がる名前を使用するのは避けた方がいいだろう。
また、自宅の近くなどのジムを頻繁に占領したりすると、近くに住んでいることが推定できてしまうので、避けた方がいいかも知れない。
ジムにポケモンを配置する操作をしているところを目撃されて追跡される恐れもあるので、誰かが制圧したばかりのジムを即座に奪うときなどは周囲に注意しよう。
なお、ポケモンGOでは自分の容姿や服装を設定できるが、女性のアバターを使用していると女性との出会いを目当てにゲームをしている所謂「出会い厨」に目を付けられやすくなるかも知れないので注意が必要だ。
ゲーム画面のスクリーンショットをSNSやブログで公開するときも、住んでいる地域などを特定できる情報を誤って公開してしまわないように注意が必要だ。プレイヤー名が写っているのを近くに住んでいる人に見られたら、「あの人ってこの辺に住んでいたんだ」とバレてしまう恐れがある。自分だけでなく、ジムで見かけた他のプレイヤーの名前も隠しておこう。
また、フィールド画面の地図からも、場所を特定される恐れがあるので注意が必要だ。ある程度特徴的な地図なら、近くに住んでいる人には気づかれてしまう可能性がある。
夜道でのプレイは足下と不審者に注意
ポケモンGOやIngressは、夜間にプレイしている人も多い。通勤通学などのついでのプレイヤーが居ない時間帯の方がジムの制圧などをやりやすいし、夜の方が画面輝度を抑えてバッテリを長持ちさせられる。そもそも明るいうちは仕事などで時間を取れない人も多いだろう。
だが、夜間の外出は昼間よりも危険が増すので注意が必要だ。痴漢やひったくりなどの犯罪者に狙われやすいだけでなく、足下が見えづらくて転んでしまう恐れもある。特に、ポケモンが出現しやすいとされる公園などには、段差や舗装されていない道など、転びやすい場所も多い。
夜道を安全に歩くために、いざというときに助けを呼ぶ防犯ブザーや、足下を照らすLEDライトなどを用意しておこう。LEDライトはモバイルバッテリのおまけ機能として付いていることも多い他、スマホの機能やアプリでカメラのLEDフラッシュを照明代わりにするという手もあるぞ。
有害な偽アプリや不正ツールに注意
数千万のユーザーを抱える大人気アプリだけに、ポケモンGOを狙ったサイバー犯罪も多発している。ネットで情報を収集したり補助ツールを利用するときも、十分な注意が必要だ。
アプリストアやWebでは、パロディゲームや攻略情報サイトなども多数登場しているが、中には有害な動作をするアプリや詐欺サイトも存在するようなので注意が必要だ。信頼できないアプリやサイトでは、無闇に個人情報を入力したりアプリ内課金を利用したりしない方がいいだろう。
特に「ポケコイン」などのゲーム内アイテムがもらえると称するアプリやサイトは、詐欺の可能性が高い。ポケモンGOでは、ゲーム内アイテムを入手する手段は公式のアプリ内課金しか存在しないからだ。課金アイテムの購入に使えるプリペイドカードなどで間接的に進呈するという方法があるにはあるが、人気ゲーム名で釣ろうとしている時点で怪しいので、個人情報の入力などはしない方がいいだろう。
アプリ本体にも注意が必要だ。Google PlayストアのポケモンGOは、対応機種の指定に難があり、OSのバージョンなどの要件を満たしていても非対応端末と見なされてインストールできない場合があるが、AndroidではPlayストアからダウンロードしたAPK(アプリのパッケージファイル)を別の端末にコピーしてインストールできるので、非対応端末のためにAPKファイルを再配布している非公式サイトが存在する。しかし、このようなアプリには、端末を乗っ取ったり情報を盗み出す有害プログラムが仕込まれていることも多い。
ポケモンGOに限らず、十分信頼できるサイト以外で配布されているアプリをどうしても利用したい場合は、インストールする前に厳重なウィルスチェックを行って安全を確認するようにしよう。
ポケモンGOでは、ゲームを効率良く進めるための非公式ツールも多数作られているが、公式アプリ以外でポケモンGOのサーバにアクセスすることは規約違反なので注意しよう。特に、Googleのアカウント情報を入力してログインするタイプのツールは、アカウントを停止されてしまう可能性も高い。現在位置を偽装して実際に歩くことなくポケモンを集めるような悪質な物だけでなく、「博士に送る」を一括実行するなど、不便を改善する程度のツールであっても不正と見なされる恐れがある。
また、入力された情報を盗んでアカウントを乗っ取るなどの細工がされた有害ツールもあるかも知れない。公式アプリ以外で無闇にGoogleのログイン情報を入力するのはやめておこう。
・Pokemon GO の停止されたアカウントについてのアップデート
子供に遊ばせる場合はしっかり指導・監督しよう
世代を超えて人気となっているポケットモンスターだが、本来のメインターゲットは小学生などの子供だ。ポケモンGOも、「ポケモントレーナークラブ」のアカウントを使用することで、Googleのアカウントを取得できない13歳未満でも遊べるようになっているが、子供にプレイさせる場合は事件や事故に十分な注意が必要だ。
「アイテムを買ってあげる」とか「珍しいポケモンが居る場所に連れて行ってあげる」などと言って誘い、子供にいたずらをしたり連れ去ったりする輩がいるかもしれない。
危険があるからといって、プレイを禁止してしまうのも考え物だ。子供が納得してくれるとは限らず、スマホ自体を餌にした事件に巻き込まれたり、反発心から素行不良になってしまう恐れもある。
無闇に禁止せずに、安全にプレイできるように指導してあげた方がいいだろう。
子供にポケモンGOを遊ばせるときは、アプリ内課金の使い過ぎにも注意が必要だ。ポケモンGOは課金アイテムを購入しなくても十分に楽しめる作りではあるが、最大限に効率的に進めるためにアイテムを買いまくると1万円を超えることもある。
子供に与えるスマホに、クレジットカードなどの支払い情報が登録されたGoogleやAppleのアカウントが設定されていると、子供が勝手に多額のアプリ内課金を利用して予期せぬ支出を強いられてしまう恐れがある。
支払時にパスワードの入力を求めるように設定することも可能だが、家族が相手だとパスワードを盗み見られたり推測される可能性も高いので、支払い情報の登録されていないアカウントを設定しておいた方がいいだろう。
Androidや一部キャリアでのiPhoneでは、携帯電話料金と合算請求されるキャリア決済も利用できるので注意が必要だ。通信料金の節約のためにも、IIJmioやOCNなどのMVNOサービスの格安SIMを利用した方がいいかも知れない。
クレジットカードやキャリア決済が利用できなくても、コンビニなどで買えるプリペイドカードを利用すれば、アプリ内課金は利用可能だ。
無理をして体調を崩さないようにしよう
プレイするために実際に外を歩く必要があるポケモンGOやIngressは、のめり込んで毎日何時間もプレイしていると、疲れが溜まって生活に支障を来してしまうことにも注意が必要だ。
夏の暑さや冬の寒さの中で適切な対策をせずに出歩いていると、体調を崩してしまうこともある。通勤通学や買い物などの短時間の移動なら大丈夫でも、ゲームのために数十分余分に歩いたりすると影響が出てくるかもしれない。
雨に降られながらで歩くのも、体調を崩しやすいので注意が必要だ。
暑さや寒さへの対策をしっかり講じて、無理のない範囲で楽しもう。